経営者以外の社葬について

社葬といえば、その企業の経営者や創業者の一族が亡くなった場合に開かれるものです。

ですが、社葬をして経費上認められる条件としては「社会通念上社葬を行うことが適当と認められる場合」という曖昧な基準があります。

社会通念上社葬にすることが認められるものということでいうと、経営者以外で適用するのはその企業の業務を遂行する上で起こってしまった事故によるものです。

業務を遂行することで亡くなってしまった人のことを「殉職者」といいますが、この殉職が会社の業務の範囲にかなり重複しているという場合には社葬にすることが社会通念上認められます。

殉職者という言葉を聴いて最初に思い浮かぶのは、自衛隊や消防隊、警官隊といった治安維持のための活動をした人のことです。

これらの職業への就業はかなり高い責任を伴い、場合によっては自分の生命よりも国民の生命や財産を守るために行動をしなくてはならないこともよくあります。

そこでみずらかの任務を遂行するために尊い生命を失ってしまった人の生命を最大限に称えるために、通常の個人葬よりも名誉に高い社葬として取り扱います。

 

次に殉職者としてよく知られているのが、「産業殉職者」という主に土木関連の仕事をすることで生命を失ってしまったような人です。

かつてはダム作りやビル建設といった大規模な事業においては、工事に携わる人の生命は完全に保証されたものではなく、ちょっとした事故などで生命を落としてしまうこともよくありました。

しかしその生命が礎となり多くの国民のために役立つ大規模なインフラが建築できたとするのであれば、それは自衛隊や消防隊員など治安維持のために戦う人と同様に貴重な命であったと見ることができます。

最近では工事現場での安全性も確保できるようになってきており、かつてのように命がけで作業をしなくてはならないということは少なくなってきました。

ですが、あまり広くは知られていませんがスカイツリーの建築のために3名の生命が失われていたりするなど、大きな工事中には人の死が伴ってきます。

社葬として扱われるかどうかの判断は、あくまでもその企業のトップの判断となるとともに、亡くなった人の遺族の希望なども考慮されます。

 

なお、産業殉職者として亡くなった人の場合には「高尾みころも霊堂」という八王子にある霊堂にその魂が集うものとされています。

かつて戦死をした兵士が靖国に集うように、国のために貴重な生命を失った産業殉職者もまた、同じように多くの人に敬われる存在となるのです。