真言宗

弘法大師が開いた「即身成仏」の教えによる真言宗

真言宗は弘法大師が唐で学んだ密教の教えを日本に伝えたことにより発生した宗派です。
唐から帰国をした弘法大師は高野山を修行の場として真言宗を開き、大日如来を本尊とする寺院を建築します。

大日如来は仏教では宇宙の根源であるとされ、修行には「大日経」「金剛頂経」を根本経典として使用しています。

密教の教えでは、この世界は「五大」である地・水・火・風・空と、「識」という人の精神を合わせた「六大」で構成されているとしています。

この「六大」の教えは仏も人間も変わりはなく、全ては大日如来のみ心によるものであるというふうに教えられています。

つまり私達は現在ここにいてありのままの姿でいることが既に「仏」であるということで、真言宗の修行を通してそのことを実感できるようになっていくとされています。

修行では手で印を結びながら真言を唱え、心の中で本尊を念じるということを繰り返します。
この3つの動作を「三密」といい、身口意(しん・く・い)の働きに対応するものと位置づけられます。

この三密を実践していくことで修行者の体と心は仏と一体になってゆき、それを「即身成仏」といいます。
真言宗は開祖である弘法大師空海から十大弟子へと受け継がれ、その後いくつかの宗派へと分裂をしていくことになりました。

現在では空海が直接開いた金剛峯寺を中心に、真言宗十八本山が主な門派として全国の寺院や檀家を束ねる存在となっています。

密教の儀礼・教義に沿って行われる葬儀

真言宗の葬儀では、行われる儀礼や儀式は密教の教えに沿って行われることとなります。
最も特徴的なのが密教法具を用いて真言・陀羅尼が唱えられるということで、その時には複雑な印を組むこととなります。

密教における葬儀の位置づけは、他の仏経典のように釈迦の弟子になるというものではなく、大日如来の教えに従ってその下に帰っていくという概念によっています。

同じ真言宗の中にも古義と新義で宗派が分かれており、さらにそれぞれに細かく分岐した宗派があるため実際の葬儀においては細かい部分で異なる作法がとられることとなります。

特徴的なのが臨終~通夜の時に遺体が着せられることになる経帷子などの衣類で、それぞれに真言が書き込まれたものを使用します。

また納棺時には光明真言による土砂を敷き、曵曼荼羅という布を敷いて遺体を入れます。
本式の葬儀においてはさらに覆曼荼羅という布を遺体の上に乗せてさらに土砂をかけて納棺をするのですが、近年ではそこまで徹底することは少なく、真言宗の檀家の家庭でも普通の白装束で納棺をするケースもあります。

葬儀において参列をした人たちが順番に焼香を行い、最後に導師最極秘印という印を僧侶が組み、三度指を鳴らすというしきたりがあります。