神道と仏教の違いについて

現在の日本においては一応最も一般的な宗教とされているのは仏教ですが、その実宗教的な教えや起源といったものをほとんど理解していないという人も相当数になっています。
仏教は古来日本の歴史に大きな影響を与えてきた宗教ですが、それと同時並行的に民間伝承として信じられてきた神道の存在もまた大きなものでした。

過去の歴史をみてみても、仏教を推奨する時の為政者が神道的な行事をしていたり、世の中の混乱を収拾するために神道を利用したりということもよくあり、厳密に仏教の教えを守るべきというふうには一般的な感覚として備わっていないようでもあります。
しかし葬式という大きな行事のときにはそうしたごちゃまぜになった方式によってではなく、きちんと一つの宗派の流儀にのっとった方法で式は行われていきます。

社葬においては個人葬よりもより不用意な一言ができない立場にありますので、豆知識的にでもきちんとその宗派や儀式の意味を理解しておくようにするのがよいでしょう。

まず一つよく知っておきたいのが、神道と仏教の違いについてです。
よく鳥居をくぐった中にある建物を「寺」と呼んだり、仏様の像を拝むときに手をパンパンと叩いたりするような人がいますが、厳密に言えばそれは大きな間違いです。
神社に祀られているのは八百万の神と呼ばれる土着の神様であるのに対し、仏教において祀られているのは如来や菩薩、天として呼ばれている神々です。

仏教においては人はなくなると仏になると言われており、拝むときには心おだやかに手を合わせるものとされています。
対して神道の場合、神を拝むときには打ち手をする「拍」を行うものとしており、その音によって神を呼び出し自分の願望などを伝えるとされています。(故人の霊を祓う場合は音は鳴らさずに手を数回合わせます)。

一般的な日本の葬儀においてはほとんどの場合仏教方式によるかと思いますが、同じ仏教においても今度はその宗派によって微妙に儀礼の方式が変わってきます。
日本において最も所属人数が多いと言われているのは浄土真宗本願寺派とされていますが、他にも浄土宗や真宗大谷派、高野山真言宗なども僅差で続いています。

同じ仏教であればそれほど気を使う必要はないのですが、持ち込む数珠の形式や焼香の仕方、礼の回数などが少しずつ異なることもあります。
葬儀においては故人を尊重しつつも、自分が属する宗派の流儀に従い哀悼の意を表示することが礼儀となっています。
自分の宗派を今一度確認してみることが、故人を悼むことにもつながります。